漢方の生薬配合理論その３：協力作用

漢方薬はいくつかの生薬を組み合わせてできたものですが、その組み合わせにはいくつかの法則があり、以前『生薬配合理論』として簡単にご説明しました。

今回は、そのうちの１つ「協力作用」について解説します。

漢方生薬の協力作用

例えば、生姜は、桂枝と組み合わせることで発汗作用を増強する役割を持ちますが、肝臓と組み合わせると脾胃虚弱の改善に役立ちます。

西洋薬では、化学合成された１つの成分だけが含まれるのに対して、漢方薬は１つの生薬にたくさんの成分が含まれているため、いくつもの作用を持っていることがあります。つまり、組み合わせる生薬によって、強められる効果が違うということです。

人間で例えるとわかりやすいですね。人によって色々な能力を持っているので、チームで何かを行う時にどの能力が発揮されるか、タッグを組む相手によって変わってきます。仕事の時には集中力を発揮したり、スポーツをする時には足の速さを活かしたり…といった具合です。漢方生薬は自然由来の成分ですから、このようなことが起こるわけです。

その他の生薬配合理論

漢方の生薬配合理論その１：増強作用

漢方の生薬配合理論その２：調整作用

漢方の生薬配合理論その４：薬効転換作用

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