漢方薬の効果と副作用

漢方薬というと、即効性がなく、ずっと飲み続けないと効果が出ないとか、副作用がないとか、色々なイメージを持たれがちなので、漢方薬の効果や副作用について正しくまとめておきます。

漢方薬は効果を実感するまでに時間がかかる

確かに、ある症状が起こったとき、ダイレクトに患部にはたらきかけて症状を消してくれる西洋薬に比べると、効果を実感するのに時間がかかることが多いでしょう。

しかし、漢方薬は体全体の免疫機能や自然治癒力を高めるように作用するため、長く飲まないと効かないということではありません。「自然治癒力が上がる」という効果はすでに出ていても、それによって症状が軽くなったり、体の調子が良くなるといった実感が出てくるまでに時間がかかるということです。

とはいえ、風邪など急性の病気や、病気になってすぐの場合には、漢方薬の効果をすぐに実感できる時もあります。漢方薬での治療の場合は一般的に、病気になってから早ければ早いほどすぐに治り、慢性の病気ほど治すのに時間がかかる傾向があります。

「漢方薬は副作用がない」は誤解

漢方薬には副作用がない、と言われることも多々ありますが、それは誤解です。

漢方薬を構成する生薬の中には、ある効果を発揮する一方で副作用を持ち合わせているものもあります。それらは生薬配合理論に関する記事でもご説明した通り、他の生薬と組み合わせることでその副作用を緩和するなど処方全体のバランスを調整しますから、特定の生薬がもつ副作用が出ることはあまりありませんが、体調次第では使わない方が良いこともあるでしょう。

ご自身の証に合わない処方をされた場合、服用する前にはなかった症状が現れるなど、副作用が出ることもありますので、ご自身の体質や体調、症状を薬剤師に伝えて相談すると良いでしょう。

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