漢方だけじゃない。東洋医学の様々な治療法

東洋医学というと、漢方というイメージがあまりに強く、漢方のことだけを知っていれば万全という方も多くいらっしゃるのですが、実はそれだけではありません。

漢方を含め、様々な治療法の複合体が東洋医学ですので、それらの治療法について理解することもまた、自然治癒力を上げて病気を治すのに重要なことです。

東洋医学の治療法

東洋医学は、新陳代謝を促進して人間の体が持っている自然治癒量を上げるための医学です。

東洋医学には様々な治療法がありますので、それぞれの特徴をよく理解して、今の自分に合った治療法を選ぶと良いでしょう。

漢方薬

漢方薬は、いくつかの生薬を組み合わせて「漢方処方」として服用するのが一般的です。

生薬を組み合わせることで、生薬同士がその効果を増強したり、あるいは副作用を抑制したりして、体への負担が少なく効果が高いものにすることが可能です。

生薬の薬としての効能は、未だに100%分析されたとは言えませんが、これまでの漢方の歴史の中で得られた経験から薬理作用が解明され、どのように配合すれば良いかなどの理論は出来上がっています。

ちなみに、漢方薬には、組み合わせた生薬をそのまま煎じる「煎じ薬」と、煎じ薬のエキスを抽出して顆粒にした「エキス製剤」の２種類があります。

現在は手軽に摂れるエキス製剤が主流となっているようですが、当店で提供している煎じ薬であれば患者さんに合わせて細かな調製が可能ですし、生薬をそのまま煎じるため、効果の出やすさにも違いがあるかと思います。

また漢方薬は、体力を補うということにも利用できるため、全身に気を巡らせて自然治癒力を高める鍼灸と併用するのも効果的ですね。

鍼灸

鍼灸療法では、ツボに鍼を刺したり、灸を乗せて火をつけたりして、体表にあるツボを刺激します。その刺激が気を動かして気血の循環がよくなることによって、内臓や筋肉などの働きを高めます。そのため特に筋肉、関節の不調や痛みを取り除くのには非常に効果的です。

ただし、全身に気血を循環させて治療を行うため、患者自身のエネルギーが少ない状態、体力が落ちた状態で鍼灸治療を行うと、かえって疲れてしまうことがありますので、その場合は漢方薬と併用して、体力を補いながら鍼灸治療を行うと良いでしょう。

按摩・気功

按摩(あんま)療法とは、ツボや経絡を手で押したり揉んだりして気を動かす療法です。

• 按…押すこと
• 摩…なでること

を意味するもので、マッサージと誤解される方が多くいらっしゃいますが、マッサージは筋肉をほぐすことを主としているのに対し、按摩はツボや経絡の刺激を主としています。

気功療法は、独自の呼吸法に緩やかな運動を加え、体の内側から気を巡らせることで免疫力や自然治癒力を高めます。

薬膳

薬膳とは、食べ物で病気の予防や治療を行う療法です。

漢方における食事療法をまとめて「薬膳」と呼ぶことが多いのですが、厳密には次の３段階に分けることができます。

• 食養…毎日の食事で病気を予防する
• 食療…食物の薬効を生かして病気を治療すること（味よりも薬効を優先する）
• 薬膳…食療に漢方薬を加味したもの

この３段階を経ても病気が治らない場合に漢方薬が使われるのですが、漢方薬を服用する際にも、この薬膳と併用することでさらに効果を高めることができます。

また、そうして効果を高めることで、鍼灸や按摩・気功などの他の治療効果も増強できるため、ぜひ治療法を組み合わせて効果を実感してみてくださいね！

まとめ

漢方薬、鍼灸療法、按摩・気功、薬膳それぞれの特徴や得意分野を知り、それらを組み合わせたり、ご自身の状況に合った治療法を選ぶことが大切です。

また、気を巡らせて治療する鍼灸、按摩・気功に関しては、体力が極端に落ちているとかえって疲れてしまうため、漢方薬や薬膳を併用して効果を高めると良いでしょう。

東洋医学に関してもっとお知りになりたい場合、ご自身に合った治療法について相談したい場合は、いつでもお問い合わせください！

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