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防風通聖散とは? 効果・効能や飲み方、服用上の注意点を解説
肥満に効果がある防風通聖散は、テレビのCMなどで目にすることが多い漢方薬です。また、肥満以外にも、むくみや便秘、肩こりにも効果があると言われています。今回は、防風通聖散の効果や効能、服用上の注意について詳しく解説します。
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)は肥満によいとされる漢方薬で、金時代の古典書「宣明論」で紹介されている処方です。漢方では、病気の症状以外に個々の体質が重視され、体の状態や体質を表す「証(しょう)」という概念がありますが、防風通聖散の適合証は、実証、熱証、湿証、つまり体力充実、暑がり・のぼせ、水分停滞とされています。
防風通聖散には、体の熱をさまして病因を発散させる効果があります。また、体の水分循環を改善することで便通をよくするので、便秘症の方にも向いています。ほかにも、尿量減少やむくみ、のぼせ、肩こりなどに効果があり、これらの症状を伴う高血圧症や腎臓病、糖尿病にも使用されます。
私たちの体内には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」という、大きく分けて2種類の脂肪細胞があります。白色脂肪細胞は体内の余分なエネルギーを脂肪とし、褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼する働きを担っています。防風通聖散の中に含まれる生薬には白色脂肪細胞を小さくする働きがあり、また、褐色脂肪細胞を活性化する生薬も含まれているため、お腹についた脂肪を分解、燃焼し、結果として肥満を解消するとされています。
配合されている生薬の中には、体内の水分循環を促し、余分な水分や脂肪・老廃物を便や尿と一緒に排出する作用があります。それが便通の改善につながっているのです。
防風通聖散は、お腹に皮下脂肪が多く、便秘がちである方の高血圧の諸症状に効果があると言われています。しかし、いろいろな種類の生薬が配合されているので生薬が身体に合わない、長期的に大量に服用すると、逆に血圧をあげてしまうこともあるため、十分な注意が必要です。
防風通聖散は、病因を発散して治す防風や麻黄などの生薬を中心に計18種類の生薬が配合されており、これらが同時に働くことで、さまざまな効果を発揮します。
一般的に、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に服用します。一部の専門外来では生薬のまま調合することもありますが、多くの病院では簡単に服用できるエキス剤が使われており、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものなのでお湯に溶かすだけで飲めるものです。
持病がある場合や、市販薬も含め、ほかの薬を服用中の場合は医師に伝えるようにしましょう。また次に該当する方も診察時には医師に相談してください。
防風通聖散の服用で重い副作用はあまりありませんが、エフェドリンやテオフィリンなど交感神経刺激作用のある薬との併用は注意が必要です。また、配合している甘草の大量服用によっては、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」などの副作用を引き起こすことがありますので、服用期間が長くなる場合は注意が必要です。
甘草を含むほかの漢方薬を同時に服用している場合も、甘草が大量服用になることもありますので、次の薬剤との併用には注意してください。
偽アルドステロン症の症状は、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、脱力感、体重増加、手足のだるさ・しびれ・痛み・つっぱり感・こわばり感、筋肉のぴくつき・ふるえ、筋肉痛などです。その場合、血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与といった適切な処置を行わなければなりません。
また、低カリウム血症によってミオパチーが現れることもあります。ミオパチーとは、筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称で、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなるため、筋力の低下や脱力感、四肢痙攣、運動麻痺などの症状が現れます。この場合も血清カリウム値の測定を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要です。
ほかにも、咳や息苦しさ、息切れなどの症状がある発熱間質性肺炎や、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる肝障害、長期服用時に腹痛・下痢・便秘・腹部膨満などが繰り返し現れる、便潜血などの症状がある腸間膜静脈硬化症などが報告されています。
いずれの場合も、服用後に異常が認められた場合には副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止して、医師に相談してください。
今回は、防風通聖散についてお伝えしました。肥満や便秘に効果があるというのは、たいへん魅力的な漢方薬ですが、体調が悪いときには服用を控えるなどの注意も必要です。用法や容量を守って、上手に漢方薬を活用していきましょう。
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肥満に効果がある防風通聖散は、テレビのCMなどで目にすることが多い漢方薬です。また、肥満以外にも、むくみや便秘、肩こりにも効果があると言われています。今回は、防風通聖散の効果や効能、服用上の注意について詳しく解説します。
防風通聖散とは?
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)は肥満によいとされる漢方薬で、金時代の古典書「宣明論」で紹介されている処方です。漢方では、病気の症状以外に個々の体質が重視され、体の状態や体質を表す「証(しょう)」という概念がありますが、防風通聖散の適合証は、実証、熱証、湿証、つまり体力充実、暑がり・のぼせ、水分停滞とされています。
防風通聖散の効果・効能
防風通聖散には、体の熱をさまして病因を発散させる効果があります。また、体の水分循環を改善することで便通をよくするので、便秘症の方にも向いています。ほかにも、尿量減少やむくみ、のぼせ、肩こりなどに効果があり、これらの症状を伴う高血圧症や腎臓病、糖尿病にも使用されます。
肥満解消
私たちの体内には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」という、大きく分けて2種類の脂肪細胞があります。白色脂肪細胞は体内の余分なエネルギーを脂肪とし、褐色脂肪細胞は脂肪を燃焼する働きを担っています。防風通聖散の中に含まれる生薬には白色脂肪細胞を小さくする働きがあり、また、褐色脂肪細胞を活性化する生薬も含まれているため、お腹についた脂肪を分解、燃焼し、結果として肥満を解消するとされています。
便秘改善
配合されている生薬の中には、体内の水分循環を促し、余分な水分や脂肪・老廃物を便や尿と一緒に排出する作用があります。それが便通の改善につながっているのです。
高血圧改善
防風通聖散は、お腹に皮下脂肪が多く、便秘がちである方の高血圧の諸症状に効果があると言われています。しかし、いろいろな種類の生薬が配合されているので生薬が身体に合わない、長期的に大量に服用すると、逆に血圧をあげてしまうこともあるため、十分な注意が必要です。
防風通聖散に配合されている生薬
防風通聖散は、病因を発散して治す防風や麻黄などの生薬を中心に計18種類の生薬が配合されており、これらが同時に働くことで、さまざまな効果を発揮します。
防風通聖散を服用する際の注意点
一般的に、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に服用します。一部の専門外来では生薬のまま調合することもありますが、多くの病院では簡単に服用できるエキス剤が使われており、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものなのでお湯に溶かすだけで飲めるものです。
診察の際の注意
持病がある場合や、市販薬も含め、ほかの薬を服用中の場合は医師に伝えるようにしましょう。また次に該当する方も診察時には医師に相談してください。
副作用について
防風通聖散の服用で重い副作用はあまりありませんが、エフェドリンやテオフィリンなど交感神経刺激作用のある薬との併用は注意が必要です。また、配合している甘草の大量服用によっては、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」などの副作用を引き起こすことがありますので、服用期間が長くなる場合は注意が必要です。
甘草を含むほかの漢方薬を同時に服用している場合も、甘草が大量服用になることもありますので、次の薬剤との併用には注意してください。
偽アルドステロン症の症状は、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、脱力感、体重増加、手足のだるさ・しびれ・痛み・つっぱり感・こわばり感、筋肉のぴくつき・ふるえ、筋肉痛などです。その場合、血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与といった適切な処置を行わなければなりません。
また、低カリウム血症によってミオパチーが現れることもあります。ミオパチーとは、筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称で、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなるため、筋力の低下や脱力感、四肢痙攣、運動麻痺などの症状が現れます。この場合も血清カリウム値の測定を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要です。
ほかにも、咳や息苦しさ、息切れなどの症状がある発熱間質性肺炎や、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる肝障害、長期服用時に腹痛・下痢・便秘・腹部膨満などが繰り返し現れる、便潜血などの症状がある腸間膜静脈硬化症などが報告されています。
いずれの場合も、服用後に異常が認められた場合には副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止して、医師に相談してください。
まとめ
今回は、防風通聖散についてお伝えしました。肥満や便秘に効果があるというのは、たいへん魅力的な漢方薬ですが、体調が悪いときには服用を控えるなどの注意も必要です。用法や容量を守って、上手に漢方薬を活用していきましょう。
電話番号 072-685-5779
住所 〒569-0803 大阪府高槻市高槻町9-3
営業時間 9:30〜20:00(火曜/水曜/金曜)9:30〜14:00(土曜/日曜)
定休日 月曜日・木曜日・祝日