活性酸素とは？ファイトケミカルスが体にどう良いのかを徹底解説！

さて、前回の記事『植物のチカラ、ファイトケミカルス』にてお伝えした通り、植物が自然界で生き残るために持っている、色や苦味、匂いなどの成分をファイトケミカルスといい、それらの特徴やわかりやすい例などを簡単にご説明しました。

今回は、このファイトケミカルスについてさらに深く掘り下げ、私たち人間の体にとってどのようにファイトケミカルスが役に立ってくれるのかをお話しします。

ファイトケミカルスには色々な作用がありますが、中でもファイトケミカルスを語る上で欠かせない「活性酸素」というものについてご説明しましょう。

活性酸素とは？

活性酸素とは、人間が呼吸して、酸素を使って生きている以上どうしても発生してしまう物質です。

わかりやすく人間の細胞を「車のエンジン」に例えると、呼吸から得られる酸素は「ガソリン」の役割を果たすものであり、エンジンを動かした結果発生する「排気ガス」にあたるものが活性酸素、といった具合です。

また、呼吸以外にも、ストレスや飲酒、喫煙、紫外線、過食、化学物質などの他の要因でも活性酸素が多く発生することがわかっており、現代人の生活習慣では非常に活性酸素が体内に発生しやすい状況になっています。

活性酸素は人間にとって必要なもの

「排気ガス」と言ってしまうとイメージが悪く「人体にとっての有害物質」だと思われてしまいそうですが、実はそうとも限りません。人体に侵入してきた細菌など、外敵を殺す役割も担っており、実は人体に必要な物質の１つでもあるのです。

増えすぎると体にダメージを与えてしまいますが、人間の体はこの活性酸素をうまくコントロールする機能を持ち合わせており、様々な酵素が活性酸素を無害な水や酸素に分解してくれる仕組みが備わっています。

しかし、その高い攻撃性ゆえに、大量発生してしまうと体に害を与えてしまうのです。

癌などの生活習慣病の原因にもなる活性酸素

紫外線や飲酒、喫煙、化学物質など、色々な理由で活性酸素は発生しますが、特に現代では、ファーストフードやコンビニ弁当などに含まれる食品添加物、空気の汚染など、活性酸素が過剰発生しやすい生活習慣を送っている方が非常に多いです。

そして活性酸素の過剰発生が続くと、体の細胞を作っているたんぱく質や酵素、さらにはDNAまでもが攻撃されてしまい、体に不調をきたす原因となってしまうのです！

特に、DNAが傷つくと、そのまま細胞分裂を行うことで遺伝情報のコピーミスが繰り返され、細胞自身が体のどの部分になって良いかわからなくなり、癌化してしまうこともあります。

ファイトケミカルスは活性酸素を吸収する

ファイトケミカルスは、この活性酸素を吸収する能力が非常に高く、植物が自然環境下で受ける色々な影響から身を守り、生き延びるためのチカラであるということで、最近は注目を浴びるようになりました。

例えば、植物の多くは光合成をして栄養を作り出すために日光を浴び続けるわけですが、同時に紫外線によってかなりの活性酸素も生み出しています。人間などの動物であれば、日陰で一休み、ということができますが、植物には足がなく、地面に根を張っているわけですので、その場から動くことができません。自力で活性酸素を無害化するほかに、生き延びる方法がないわけです。

もちろん先ほどご説明した通り、人間の体にも活性酸素を無害化する（コントロールする）ための酵素は作られていますが、現代の人々の生活習慣で発生する量の活性酸素は、人間が自ら作り出す酵素だけでは捌きき切れません。そのため、このファイトケミカルスを補うことが重要なのです。

漢方に含まれる植物のチカラ

当薬局で取り扱っている製品の多くが漢方薬ですが、この漢方というのはまさにその植物のチカラを使った自然由来の薬であり、その中に含まれるファイトケミカルスが体に良い効果をもたらしてくれるのではないかと考えています。世界売上高No.1のサプリメントを取り扱っているメーカーでも、漢方の研究が進んでいるくらいに、とても注目を浴びているジャンルなのです。

「良薬口に苦し」ということわざがありますが、漢方薬の苦味、辛味や特有の匂いは、まさにこのファイトケミカルスなのではないでしょうか。

植物の生きるチカラは、単なる栄養補給にとどまらず、免疫をあげて病気を治す助けにもなってくれるのです。

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