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黄耆建中湯とは? 効果・効能や飲み方、服用上の注意点を解説
漢方薬の黄耆建中湯をご存知でしょうか? 体力が低下しがちな病後は、ほかの病気にうつりやすいというリスクがありますが、この黄耆建中湯は体力の回復を助ける効果があり、子どもでも服用できる漢方薬です。今回は、その黄耆建中湯について詳しくご紹介します。
黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)は、漢時代の古典書「金匱要略」で紹介されている処方です。漢方では、病気の症状以外に個々の体質が重視され、体の状態や体質をあらわす「証(しょう)」という概念がありますが、黄耆建中湯の適応証は虚証、寒証。つまり、虚弱、冷えとされています。
黄耆建中湯の「中」とは、身体の中心部である胃腸をあらわしており、その胃腸を健康にするという意味が含まれています。体力が低下して疲れやすい状態の場合、皮膚も内臓も弱るため皮膚の働きをコントロールできず、汗をかきやすくなることがあります。また、腹部の緊張と冷えが原因で腹痛が起こることもあるでしょう。
黄耆建中湯は、体内エネルギーの消耗を防いで皮膚や消化器の働きを改善しますので、体が弱く疲れやすい人や寝汗の多い虚弱な子どもにおすすめです。具体的には、虚弱体質や病後の衰弱、寝汗、湿疹・皮膚炎、皮膚のただれ、腹痛、冷え症に効果が期待できます。
黄耆建中湯に配合されている生薬は、黄耆、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草の6種類です。主薬である黄耆には栄養状態を良くして汗を調節する作用があり、桂皮には胃腸の働きをよくする効果があります。さらに、膠飴(麦芽糖)と呼ばれる「あめ」が多く含まれているため、病後の弱った身体への栄養補給に効果的です。
腹痛をやわらげて胃腸の調子を整えることで知られている漢方薬「小建中湯(ショウケンチュウトウ)」は桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草の5種類の生薬が配合されたものですが、さらに、むくみや発汗の異常を解消する黄耆を加えたものが、この黄耆建中湯だと言えばわかりやすいでしょう。
一般的に、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に服用します。一部の専門外来では生薬のまま調合することもありますが、多くの病院では簡単に服用できるエキス剤が使われており、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものなのでお湯に溶かすだけで飲めるものです。
持病がある場合や、市販薬も含め他の薬を服用中の場合は医師に伝えるようにしましょう。また、次に該当する方も診察時には医師に相談してください。
黄耆建中湯の服用で重い副作用はあまりありませんが、配合している甘草の大量服用によっては、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」などの副作用を引き起こすことがありますので、服用期間が長くなる場合は注意が必要です。甘草を含む他の漢方薬を同時に服用している場合も甘草が大量服用になることもありますので、次の薬剤との併用には注意してください。
偽アルドステロン症の症状は、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、脱力感、体重増加、手足のだるさ・しびれ・痛み・つっぱり感・こわばり感、筋肉のぴくつき・ふるえ、筋肉痛などです。その場合、血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要になります。
また、低カリウム血症によってミオパチーがあらわれることもあります。ミオパチーとは、筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称で、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなるため、筋力の低下や脱力感、四肢痙攣、運動麻痺などの症状があらわれます。この場合も血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要です。
いずれの場合も、服用後に異常が認められた場合には副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止して、医師に相談するようにしてください。
また、胃の不快感やもたれ感、食欲不振、吐き気、下痢などを催すことがあります。通常は時間とともに慣れることが多いのですが、長く続くなど、つらいと感じた場合には医師と相談してください。
今回は、黄耆建中湯についてお伝えしました。身体が弱っている状態は、別の病気がうつるリスクが高まりますので、できるだけ早く復活させたいですね。病後の体力回復に、ぜひ黄耆建中湯を試してみてください。
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漢方薬の黄耆建中湯をご存知でしょうか? 体力が低下しがちな病後は、ほかの病気にうつりやすいというリスクがありますが、この黄耆建中湯は体力の回復を助ける効果があり、子どもでも服用できる漢方薬です。今回は、その黄耆建中湯について詳しくご紹介します。
黄耆建中湯とは?
黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)は、漢時代の古典書「金匱要略」で紹介されている処方です。漢方では、病気の症状以外に個々の体質が重視され、体の状態や体質をあらわす「証(しょう)」という概念がありますが、黄耆建中湯の適応証は虚証、寒証。つまり、虚弱、冷えとされています。
黄耆建中湯の効果・効能
黄耆建中湯の「中」とは、身体の中心部である胃腸をあらわしており、その胃腸を健康にするという意味が含まれています。体力が低下して疲れやすい状態の場合、皮膚も内臓も弱るため皮膚の働きをコントロールできず、汗をかきやすくなることがあります。また、腹部の緊張と冷えが原因で腹痛が起こることもあるでしょう。
黄耆建中湯は、体内エネルギーの消耗を防いで皮膚や消化器の働きを改善しますので、体が弱く疲れやすい人や寝汗の多い虚弱な子どもにおすすめです。具体的には、虚弱体質や病後の衰弱、寝汗、湿疹・皮膚炎、皮膚のただれ、腹痛、冷え症に効果が期待できます。
黄耆建中湯に配合されている生薬
黄耆建中湯に配合されている生薬は、黄耆、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草の6種類です。主薬である黄耆には栄養状態を良くして汗を調節する作用があり、桂皮には胃腸の働きをよくする効果があります。さらに、膠飴(麦芽糖)と呼ばれる「あめ」が多く含まれているため、病後の弱った身体への栄養補給に効果的です。
腹痛をやわらげて胃腸の調子を整えることで知られている漢方薬「小建中湯(ショウケンチュウトウ)」は桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草の5種類の生薬が配合されたものですが、さらに、むくみや発汗の異常を解消する黄耆を加えたものが、この黄耆建中湯だと言えばわかりやすいでしょう。
黄耆建中湯を服用する際の注意点
一般的に、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に服用します。一部の専門外来では生薬のまま調合することもありますが、多くの病院では簡単に服用できるエキス剤が使われており、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものなのでお湯に溶かすだけで飲めるものです。
診察の際の注意
持病がある場合や、市販薬も含め他の薬を服用中の場合は医師に伝えるようにしましょう。また、次に該当する方も診察時には医師に相談してください。
副作用について
黄耆建中湯の服用で重い副作用はあまりありませんが、配合している甘草の大量服用によっては、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」などの副作用を引き起こすことがありますので、服用期間が長くなる場合は注意が必要です。甘草を含む他の漢方薬を同時に服用している場合も甘草が大量服用になることもありますので、次の薬剤との併用には注意してください。
偽アルドステロン症の症状は、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、脱力感、体重増加、手足のだるさ・しびれ・痛み・つっぱり感・こわばり感、筋肉のぴくつき・ふるえ、筋肉痛などです。その場合、血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要になります。
また、低カリウム血症によってミオパチーがあらわれることもあります。ミオパチーとは、筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称で、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなるため、筋力の低下や脱力感、四肢痙攣、運動麻痺などの症状があらわれます。この場合も血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要です。
いずれの場合も、服用後に異常が認められた場合には副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止して、医師に相談するようにしてください。
また、胃の不快感やもたれ感、食欲不振、吐き気、下痢などを催すことがあります。通常は時間とともに慣れることが多いのですが、長く続くなど、つらいと感じた場合には医師と相談してください。
まとめ
今回は、黄耆建中湯についてお伝えしました。身体が弱っている状態は、別の病気がうつるリスクが高まりますので、できるだけ早く復活させたいですね。病後の体力回復に、ぜひ黄耆建中湯を試してみてください。
電話番号 072-685-5779
住所 〒569-0803 大阪府高槻市高槻町9-3
営業時間 9:30〜20:00(火曜/水曜/金曜)9:30〜14:00(土曜/日曜)
定休日 月曜日・木曜日・祝日