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加味逍遙散とは?効果・効能や飲み方、服用上の注意点を解説
女性特有の悩みに効果が期待できることから、漢方薬の中で「婦人科三大処方」のひとつとされるのが、加味逍遙散です。今回は、加味逍遙散について詳しくご紹介します。
加味逍遙散(カミショウヨウサン)は、冷えのぼせや生理不順、更年期障害など、婦人科系の症状に用いられる漢方薬で、宋時代の古典書「和剤局方」で紹介されている処方です。漢方では、病気の症状以外に個々の体質が重視され、体の状態や体質をあらわす「証(しょう)」という概念がありますが、加味逍遙散の適応証は、虚証、寒証、湿証、お血、気上衝で、つまり虚弱、冷え、水分停滞、血流停滞、のぼせ・イライラ・緊張・不安とされています。
なお、別名を丹梔逍遥散(タンシショウヨウサン)とも呼ばれています。
漢方の考え方では、血流の異常をお血(おけつ)および血虚(けっきょ)という概念で捉えます。お血は血流停滞、血虚は血流不足という意味で、月経にまつわるトラブルなどの血流異常を改善する方剤が使われますが、そのひとつが加味逍遙散です。
血液循環を促進して体を温めつつも、上半身の熱をさましてのぼせを抑え、ホルモンのバランスを整える効果があります。具体的には、手足の冷えやのぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに適応しており、これらの症状をともなう更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも効果があるとされています。
加味逍遙散に配合されている生薬は、柴胡、芍薬、蒼朮、当帰、茯苓、山梔子、牡丹皮、甘草、生姜、薄荷の10種類です。血流をよくして体を温めるもの、上半身の熱をさますもの、痛みをやわらげるもの、無駄な水分を取り除くものなどがいろいろと配合され、これらが同時に働くことでよりよい効果を発揮しているのです。
なお、配合する生薬の違いにより「逍遥散(ショウヨウサン)」という漢方薬もありますが、一般的に火照り感が強い場合や興奮が強い場合、微熱がある場合には加味逍遥散を、また特に熱感が無い場合には逍遥散をというように使い分けます。
一般的に、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に服用します。一部の専門外来では生薬のまま調合することもありますが、多くの病院では簡単に服用できるエキス剤が使われており、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものなのでお湯に溶かすだけで飲めるものです。
持病がある場合や、市販薬も含め他の薬を服用中の場合は医師に伝えるようにしましょう。また、次に該当する方も診察時には医師に相談してください。
なお、配合されている牡丹皮によって、妊娠によくない影響をおよぼす可能性があります。大量に服用しなければ、ほぼ問題はありませんが、妊娠中の服用については医師とよく相談してください。
加味逍遙散の服用で重い副作用はあまりありませんが、配合している甘草の大量服用によっては、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」などの副作用を引き起こすことがありますので、服用期間が長くなる場合は注意が必要です。また、甘草を含む他の漢方薬を同時に服用している場合、甘草が大量服用になることもありますので、次の薬剤との併用には注意してください。
偽アルドステロン症の症状は、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、脱力感、体重増加、手足のだるさ・しびれ・痛み・つっぱり感・こわばり感、筋肉のぴくつき・ふるえ、筋肉痛などです。その場合、血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要になります。
また、低カリウム血症によってミオパチーがあらわれることもあります。ミオパチーとは、筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称で、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなるため、筋力の低下や脱力感、四肢痙攣、運動麻痺などの症状があらわれます。この場合も血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要です。
そのほか、だるさや食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色になるなどの肝障害、長期服用時に腹痛や下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返しあらわれる腸間膜静脈硬化症などが報告されています。
いずれの場合も、服用後に異常が認められた場合には副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止して、医師に相談するようにしてください。
今回は、加味逍遙散についてお伝えしました。婦人科系の症状は慢性的なものが多く、改善のためには長期間に渡って服用することが考えられます。自己判断に頼らず、医師と相談してすすめていくようにしましょう。
「藤田薬局の加味逍遙散」をお入り用の場合は下記リンクをクリックしてください
19/04/12
19/04/07
19/04/04
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女性特有の悩みに効果が期待できることから、漢方薬の中で「婦人科三大処方」のひとつとされるのが、加味逍遙散です。今回は、加味逍遙散について詳しくご紹介します。
加味逍遙散とは?
加味逍遙散(カミショウヨウサン)は、冷えのぼせや生理不順、更年期障害など、婦人科系の症状に用いられる漢方薬で、宋時代の古典書「和剤局方」で紹介されている処方です。漢方では、病気の症状以外に個々の体質が重視され、体の状態や体質をあらわす「証(しょう)」という概念がありますが、加味逍遙散の適応証は、虚証、寒証、湿証、お血、気上衝で、つまり虚弱、冷え、水分停滞、血流停滞、のぼせ・イライラ・緊張・不安とされています。
なお、別名を丹梔逍遥散(タンシショウヨウサン)とも呼ばれています。
加味逍遙散の効果・効能
漢方の考え方では、血流の異常をお血(おけつ)および血虚(けっきょ)という概念で捉えます。お血は血流停滞、血虚は血流不足という意味で、月経にまつわるトラブルなどの血流異常を改善する方剤が使われますが、そのひとつが加味逍遙散です。
血液循環を促進して体を温めつつも、上半身の熱をさましてのぼせを抑え、ホルモンのバランスを整える効果があります。具体的には、手足の冷えやのぼせ、生理不順や生理痛、頭痛、肩こり、けん怠感、不眠、神経症などに適応しており、これらの症状をともなう更年期障害や自律神経失調、月経前緊張症などにも効果があるとされています。
加味逍遙散に配合されている生薬
加味逍遙散に配合されている生薬は、柴胡、芍薬、蒼朮、当帰、茯苓、山梔子、牡丹皮、甘草、生姜、薄荷の10種類です。血流をよくして体を温めるもの、上半身の熱をさますもの、痛みをやわらげるもの、無駄な水分を取り除くものなどがいろいろと配合され、これらが同時に働くことでよりよい効果を発揮しているのです。
なお、配合する生薬の違いにより「逍遥散(ショウヨウサン)」という漢方薬もありますが、一般的に火照り感が強い場合や興奮が強い場合、微熱がある場合には加味逍遥散を、また特に熱感が無い場合には逍遥散をというように使い分けます。
加味逍遙散を服用する際の注意点
一般的に、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に服用します。一部の専門外来では生薬のまま調合することもありますが、多くの病院では簡単に服用できるエキス剤が使われており、これは煎じ薬を濃縮乾燥させたものなのでお湯に溶かすだけで飲めるものです。
診察の際の注意
持病がある場合や、市販薬も含め他の薬を服用中の場合は医師に伝えるようにしましょう。また、次に該当する方も診察時には医師に相談してください。
なお、配合されている牡丹皮によって、妊娠によくない影響をおよぼす可能性があります。大量に服用しなければ、ほぼ問題はありませんが、妊娠中の服用については医師とよく相談してください。
副作用について
加味逍遙散の服用で重い副作用はあまりありませんが、配合している甘草の大量服用によっては、「偽アルドステロン症」や「ミオパチー」などの副作用を引き起こすことがありますので、服用期間が長くなる場合は注意が必要です。また、甘草を含む他の漢方薬を同時に服用している場合、甘草が大量服用になることもありますので、次の薬剤との併用には注意してください。
偽アルドステロン症の症状は、低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、脱力感、体重増加、手足のだるさ・しびれ・痛み・つっぱり感・こわばり感、筋肉のぴくつき・ふるえ、筋肉痛などです。その場合、血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要になります。
また、低カリウム血症によってミオパチーがあらわれることもあります。ミオパチーとは、筋肉に異常が生じることで引き起こされる病気の総称で、障害を受けた筋肉がうまく働かなくなるため、筋力の低下や脱力感、四肢痙攣、運動麻痺などの症状があらわれます。この場合も血清カリウム値の測定などを十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤投与などの適切な処置が必要です。
そのほか、だるさや食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色になるなどの肝障害、長期服用時に腹痛や下痢、便秘、腹部膨満などが繰り返しあらわれる腸間膜静脈硬化症などが報告されています。
いずれの場合も、服用後に異常が認められた場合には副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止して、医師に相談するようにしてください。
まとめ
今回は、加味逍遙散についてお伝えしました。婦人科系の症状は慢性的なものが多く、改善のためには長期間に渡って服用することが考えられます。自己判断に頼らず、医師と相談してすすめていくようにしましょう。
「藤田薬局の加味逍遙散」をお入り用の場合は下記リンクをクリックしてください
電話番号 072-685-5779
住所 〒569-0803 大阪府高槻市高槻町9-3
営業時間 9:30〜20:00(火曜/水曜/金曜)9:30〜14:00(土曜/日曜)
定休日 月曜日・木曜日・祝日