切り傷や火傷のあとに便利な漢方軟膏【紫雲膏】

漢方軟膏「紫雲膏」って何？

「紫雲膏」は、江戸時代末期の名医、華岡青洲が創方した漢方の軟膏です。

もともと中国、明の時代に陳実功（チンジツコウ）が著した「外科正宋（ゲカセイソウ）」にある「潤肌膏（ジュンキコウ）」に豚脂を加えたものです。

紫雲膏は

• 紫根（シコン）
• 当帰（トウキ）
• ゴマ油
• ミツロウ
• 豚脂（トンシ）

の５種類の生薬から構成されている油脂性軟膏剤で、傷口の部分を乾かさないように治します。皮膚の再生機能を促進して、患部を綺麗に治します。

紫雲膏をおすすめする理由

うっかり切り傷を作ってしまったり、料理中にやけどをしてしまったり…こんな切り傷ややけどをそのままにしていませんか？
「傷が乾けばそのうち治る」と放置してしまうと、皮膚がヒリヒリと痛く、かさぶたがいつまでも残り、傷は治っても、傷跡がいつまでも消えないという事態に。

モイストヒーリング（湿潤療法）とは創傷部位を乾かさないように密閉することで、痛みを軽減して傷跡を残しにくく、傷を早く治そうとする療法です。
傷ができると、傷口から「滲出液」という無色透明の液がにじみ出てきます。この成分は、サイトカイン（タンパク質など）や成長因子と呼ばれるもので、傷を修復し、皮膚を再生する細胞の成長を助けます。滲出液で潤った環境だと、表皮細胞はよりスピーディーに分裂し、傷が早く治ることがわかっています。

『紫雲膏』は、靴擦れや指先の小さな切り傷はもちろん、かかとや指先の乾燥によるひび割れ、お子様の膝の擦り傷など、皮膚の様々なトラブルをカバーしてくれる使い勝手のいい軟膏です。

紫雲膏の使い方

使い方は簡単で、傷口に直接塗るだけ。やけどなどの水ぶくれの時は、水ぶくれを潰すと雑菌が入って化膿しやすくなるので、潰さずに上から塗ることをおすすめします。
また、かかとや指先などのひび、あかぎれを治したい場合には、伸びが良いので、薄く延ばしてご使用ください。ただ、薄紫色の軟膏が衣服につかないようにはくれぐれもお気をつけください。

まとめ

家の中で起きるとっさの事態に抗菌、消炎、鎮痛、皮膚再生などの作用のある生薬でできた『紫雲膏』は様々なご家庭で活躍してきました。傷、やけど、ひび、痔、湿疹、皮膚炎など幅広く使用できるので、家に１本置いておくだけですぐに対処できます。
うっかり傷ややけどだけでなく、乾燥する時期の皮膚トラブルにも大活躍のアイテム。早めの対処が傷の治りを早くします。

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